HIBRIA
HIBRIA と書いてヒブリアと読む。
ブラジリアンヘヴィメタルバンドだ。
メタルの聖地はやはりヨーロッパでしょう。
NWOHMから全世界へとメタルが広まったが、発祥うと言えばヨーロッパだ。
もちろんヨーロッパと言えど全ての国ではやっていたわけではない。
が、このあたりの歴史に関しては割愛するが、私がANGRAをきっかけにブラジルのメタルバンドに注目した背景には、テクニカルにして演奏技術に優れているバンドが多い点だ。
ブラジルのバンドはVoもハイトーン、Gはタッピング、スウィープは当たり前、ベースは決まって多弦ベース(4弦ベーシストいたか?見たことないぞ)で平気でGの超絶高速フレーズにユニゾンでついていく、Drはツーバスでラテン系特有のパーカッシブな変速リズムに手数の多いフィルインをかましてくるといった、演奏技術力の高いパワーメタル、メロディックヘヴィメタルといった具合。
HIBRIAはまさにこの手のバンドだった。
現在アルバムは6枚出している。
2004年のデビューアルバム「Defying the rules」は素晴らしかった。疾走感溢れるリズムに印象的なのは当時リーダーだった6弦ベーシストのマルコ・パニーキの独創的なベースラインだった。
音は若干軽く、ディストーションがかかった音で低音の迫力はかけるが、素晴らしいベースラインなので、是非興味のある方は聞いてみて欲しい。
2枚目の「The skull collectors」は前作とはプロデューサーを変えてベースとバスドラの低音を強調したサウンドとなり、緩急のあるメロディ、ギターソロを織り交ぜたこちらもまた傑作となった。
個人的には最も好きなアルバムである。Drも変更して、確実にパワーアップしていた。ツインGのリフ、ソロとメロディと曲展開には脱帽する。考え込まれたコード進行で、自然とガッツポーズが出る!
しかし、3rd「Blind ride」でリーダーだったマルコが他の若手バンドの育成の為裏方に回るとしてHIBRIAから脱退してしまう。
後任にはベニュール・リマが加入する。彼もまたテクニカルで、前任者のフレーズを完璧にマスターしてくる凄腕なのだ。しかも、歌えるBとしてライブでは大活躍していた。
マルコとは違った個性を持ち、ベニュールはベニュールらしいフレーズで盛り上げた。個人的にはマルコは伝説の人で、比べられないがどちらも大好きなベーシストだ。
肝心のアルバムは勢いこそあるものの、ライブを通してもっとシンガロング出来る曲をとコーラスでは皆で歌える曲作りとなっていた。
マルコは起承転結のあるメリハリのあるドラマティックな展開が得意であり、持ち味だったが、マルコが脱退し若干方向性が変わってしまった。
続いて4TH「Silent revenge」ではディエゴ・カスペルが脱退し、1st,2ndの路線は完全に断たれてしまった。
素晴らしい曲もあったが、テクニカルなだけでメロディが乏しかったり、シンガロング出来るようなライブ映えする楽曲作りは相変わらずで、素晴らしいメロディのドラマティックな曲展開は後退していった。
2015年の5th「HIBRIA」だが、完全にメロディは死んでいた。メンバーが変わるとこうなるのは仕方ないとこで、核となるリーダーが立て続けに脱退してしまえばもはや別物のバンドと化してしまった。
ミニアルバムを出したころにはベニュール・リマからイヴァン・ベックにBが交代していた。
2018年に「Moving ground」が発売されたが、メンバーはGのアベル・カマルゴがオリジナルメンバーただ一人となり、あとは総入れ替えとなった。
もはや聞く気も失せ、アルバムは購入していない。
こうして私の中でのHIBIRIAの幕は閉じた。
素晴らしいバンドだった。今でも聴いてます!
Hibria - Steel Lord On Wheels (Blinded By Tokyo)
こちらのベーシストは歌える2代目ベニュール・リマさんです!
曲は1stの代表曲、イントロからの2曲目の曲です。いかがでしたか?疾走感あふれるまさにメタル!これぞヘヴィメタルですね。